BANJO

About BANJO

アメリカ合衆国南部およびアパラチア地方で奴隷を強要されていたアフリカ人たちが、1600~1800年頃、母国でなじんでいた楽器にならって最初期のバンジョーをつくり、この最初期のバンジョーのいくつかがゴード・バンジョー(gourd banjo)と呼ばれるようになりました。これはひょうたんボディで3弦または4弦でフレットの無いものでした。

歴史的には19世紀のミンストレルショー(白人による黒人音楽の演奏)における場合と同様に、黒人伝統音楽において中心的位置を占めていました。実際、アフリカ系アメリカ人たちはバンジョーの導入により、カントリー音楽とブルーグラス両者の発展の初期段階で強い影響力を及ぼしましたし、バンジョーとフィドルの演奏テクニックの革新によっても、更に同様に強い影響力を及ぼしました。

アメリカに於いてチェロ・バンジョー、マンドリン・バンジョー、ウクレレ・バンジョーなど様々に発展してきたバンジョーは、デキシーランド・ジャズに良く使われる4弦バンジョー(プレクトラム・バンジョー、テナー・バンジョー)とブルーグラスやオールドタイムで使われる5弦バンジョーに集約された形となりました(一覧表参照)。バンジョー・ストンパーズの楽器はこの4弦バンジョーが使われています。

アメリカのジャズエイジと呼ばれた1920年代から30年代にかけて、4弦のテナー・バンジョーやプレクトラム・バンジョーは黄金時代となりました。ジャズやラグタイムといったその頃の最新流行の音楽と相性が良かったからです。代表的なメーカーにはパラマウント、ベイコン&デイ(B&D)、ベガ、ギブソン、エピフォン、ワイマンなどがありますが、現在ではバンジョーメーカーとしてはこれらは存在しませんし、この頃の名品はビンテージ品でしか入手出来ない状況となっています。

(表出典:「アメリカン・ルーツ・ミュージック」(奥 和宏 著))